Statement 7

 

見て判るように、環境転送特許は

「システムvs方式vsプログラム」

の3層構成になっています。

この真意が把握できていますか?

実質的に同じ内容の繰り返しと思ったプロが多いはず。

中には、私がオカシイなんて解釈した弱知がいたのでは?

この特許、プロの弁理士事務所と練って、1年かけて作成したものですよ。

この“3種の層”こそが、本特許の神髄なのです。

特許系弁護士や弁理士にも、その理由が判らなかったのでは?

特許侵害論証<1>+<2>を整理すると、“システムvs方式”の差が判明します。

 

export-importには、特許としてのハッキリしたクレーム範囲がありません。

ICT業界の連中は感じでモノを言ってるだけ。

だから、漠然とした話に終始するわけ。

逆に、ここに、相手が付け入る余地があります。

だって、export-importと本特許は、

「旧マシンから新マシンにファイルや設定を転送する」

というレベルでは区別付きませんから。

けれども、export-importという概念が満たす、共通機能というものを抽出できます。

それが、転送時における旧マシンのexport機能使用。

それに対し、本特許では、情報場という概念を提示しています。

これが新規性や進歩性のポイント。

 

では、情報場とは何ぞや?

その定義は特許の明細で述べられています。

これを見ると、汎用性の高い概念であることが判ります。

しかし、ライバルのexport-importとは別種の新機能の核になるアイデアなんです。

それが、理論的には木のインベッディングに基づく統一化。

実用的には、旧マシンのexport使わず転送できるという機能。

情報場使って転送すると明記しています。

そして、情報場と環境情報集合をキチンと区別しています。

同じ環境情報集合でも、集め方の相違があるということ。

新マシンの木に準拠して集めるわけ。

 

これにより、何が論証されたのか?

普通名詞としての環境転送システムには2種類の方式があるということ。

一つはexport-import機能使う方式。

他方は、本特許で提案された方式。

以後、この区別をキチンと付けるため、本特許方式の特徴を

「情報場機能」

と呼ぶことにします。

情報場はシステム概念として汎用性はありますが、何でもかんでも含むというわけではないの。

ライバルに、export-import方式があるのです。

 

export-importは情報場を採用してないのです。

これは、

「実質的に使用しているが、用語としては採用してない」

というレベルではないの。

実質的に使用しているのは情報集合の方。

これを、旧マシンのexport機能使って転送開始するの。

以上で、

「export-importで特許無効化できないのは情報場が証明している」

という論証ができました。

環境転送システムは特許権が成立しましたよ、それ以前にexport-import機能があるのに。

しかも、明細中に、特許適用の具体例としてWindowsを挙げているのに。

 

本特許で提案する環境転送は情報場方式が特徴ですが、システム全体としては、情報場だけで構成されているわけではありません。

だから、本システムのことを“(使用)環境転送”と呼んできたのです。

(使用)環境転送と言う用語も、それまで無かったからです。

一方、方式も、情報場が特徴ですが、情報場だけ独立して存在しているわけではありません。

情報場が組み込まれたシステムの実現も一つの方式になります。

以上のシステムvs方式が機能側の話。

これを実現する技術側の話がプログラム。

これが関係する話題は、別の機会に。

 

クレーム見て判るように、本特許では情報集合と情報場を峻別しています。

export-importは情報集合の転送であるのに対し、本特許は情報場の転送方式が特徴。

この事実関係からFSTWを見ると、FSTWは情報場に関する機能です。

つまり、情報場方式の具体例になっています。

これが特許侵害の客観的証拠。

勿論、FSTWの解説では情報場と言う用語に言及していません。

その理由は簡単です。

意図的に特許侵害するつもりなのですから。

Vistaや7でも、同様。

この観点から、特許侵害の別証拠を挙げましょうか。

 

MS自身、FSTWは従来のexport-import機能と同じとは言えない宿命。

自分で新しいと宣伝したのですから。

この文脈での新しさの意味が判りますか?

何ら新機能追加せずに新しいと宣伝したら、それは詐欺。

詐欺でないと主張するには、何らかの追加機能が必要。

この追加が、何に触発されてなされたのか?

私の特許見たでしょうと言ってるの。

その証拠が、XPから採用されたマシン間の直接ケーブル接続。

私の特許には、直接ケーブル接続法が一例として明記されています。

一方、それまでのexport-importでは直接接続法は無かった。

これが意図的特許侵害の物的証拠。

 

その後のVistaも7も、この直接ケーブル接続法を捨てていません。

だって、XP以後のOS発売時に、部品としての接続ケーブルを売ってしまったし・・・。

(直接ケーブル接続法は転送速度の観点からも重要なのですよ。

一旦、CDなんかに移していたら時間が掛かるもの。

但し、USBケーブルは遅いなあ。)

万が一、MSがWindows8から、直接ケーブル接続を外したら、どうするか?

ユーザ無視した企業だと白状するようなものですが、それは置いておいて。

今更、外しても、後の祭りでしょう。

XPから環境転送の世界に入ったからです。

これが論理。

 

以上で、XP以後に導入された(FSTW等の)環境転送は本特許で提示された新機能

「情報場設定+直接ケーブル接続」

の具体例だと判ったでしょう。

これでシステム的勝利。

この点を悟らすため、今まで、準備資料を公開してきたのです。

侵害事実が裁判官や陪審員にも納得できるまで解説を続けたわけ。